● 国際分散投資 資産運用及び投資を行う場合、投資家には、資産を増やそうという「利益への期待」だけでなく、資産を減らしたくない、守りたいという「リスクを回避したい希望」もあります。このリターンを極大化し、リスクを軽減化するには、特定の資産に偏らず、異なった性格の資産をうまく組み合わせる、そういう資産構成(ポートフォリオ)を作ることが大変有効といわれています。すなわち、資産の運用先を分散すればリスクは軽減できるということで、分散する数が多ければ多いほど、リスクも確率としては低くなり、資産全体の運用の効率は良くなります。 過去日本では、このような考え方は馴染みの薄いものでした。終戦後の長期間にわたる高成長期は、為替も円高傾向であり国内で運用するだけで国際購買力は向上し、資産形成が可能だったからです。しかし、現在は経済も成熟し、国内のみでの運用は決して万全とは言えなくなってきました。 従って国内の市場だけでなく、海外の金融市場も視野に入れ投資する。つまり国際分散投資を行うほうが、より確実な資産運用になるといえます。また、海外も含めて様々な金融市場に投資する理由には、経済循環サイクルの違いを利用しようという狙いもあります。 投資の世界では分散投資のことを「大きなかごの中にたくさんの卵をまとめて盛っておくと、万一そのかごを落としてしまったら卵は全部割れてしまうかもしれません。小さなかごに少しずつ盛れば、全部を失うことはまずあり得ないでしょう。」という格言で表現されます。また、「分散投資」とは平均点を少し上回るための手段とも言えます。 銘柄分散 株に見込みがあるからといって株のみに投資することは、大きな利益を上げることもありますが、不確定要素を抱えた金融市場では、大きなリスクを孕んでいます。投資は投機ではありません。そこで、相互に相関の低い銘柄に投資することで、こうしたリスクを平均化することができます。具体的には株式と債券が挙げられます。また、最近では日本でも不動産投資信託(REIT:リート)をポートフォリオに加える投資家が増えています。 地域分散 地域を分散させることでリスクを減らすことです。どの地域に分散させるかは議論の分かれるところですが、一般的には地政学的に相関の低い場所を選びます。 国際分散投資は上に書いたような、銘柄と地域の分散を世界のマーケットで行うことです。ファンド会社は有望なところに投資し、会社によっては、数十年のマーケットトレンドと不確定要素までも織り込んだコンピュータでマーケットを監視しているわけですが、国際分散投資をすることで投資がより安定したものになります。 |